PERFECT DAYS

本&映画感想

先日ずっと楽しみにしていたPERFECT DAYSを観に行ってきました。

 とても楽しみにしていたのもあってか正直思っていたような大感動作品ではなかったけど、後になってじわじわといい映画だったなあと感動がこみあげてくる作品でした。

 映画は役所広司さん演じるトイレ清掃員の平山の日常を淡々と綴るところから始まります。

 朝起きて、身支度してご飯食べて仕事行ってお風呂入ってご飯食べて夜は読書して眠くなって眠る。平山には平山の日常が、私には私の日常が、あなたにはあなたの日常があると思いますがそんな変わり映えしない日常、毎日毎日同じことの繰り返し…に思える日常。そんな何の変哲もない日常が描かれるところから物語は始まります。正直これがずっと続いたらどうしようと、観に来たことを少し後悔しました(笑)

 天気が良かったり、雨が降ったり道が混んでたり、思いがけない人と会ったり。平山に起こることは平々凡々な私にも起こりうるような小さな小さな日常の出来事が丁寧に描かれています。天気が良かったり植物の成長を発見したり幸せを感じたときは本当にいい表情で笑います。そんな小さな小さな変化を見逃さず喜んだり悲しんだり苛立ったりする平山の丁寧で静かな生き方。ありふれた毎日を丁寧に丁寧に一日を過ごしていく平山の真摯な姿が胸を打ちます。

冒頭にも触れましたが、観終わった後は正直物足りない感があったのですが少し時間が経つと何故か胸の奥が暖かくなるような感覚をじんわりと感じました。ラストの平山の表情は思い出すと少し泣けてくるほどです。

物語自体が誰しもが経験するような平凡な日常を描いているからこそ、その場での大きな感動は無いけど心の奥で何かを感じ取っていてそれが後からじわじわと出てくるのかもしれません。

 人生にはうれしいこともあればつらいこともある。安っぽいハッピーエンドの話ではなくて退屈に見える毎日、そんな毎日の中の小さな幸せや、変化をしっかり感じて精一杯生きることの大切さをそっと教えてくれているような作品でした。

また、平山の使用しているカセットテープがカッコ良く見えたり、昔ながらの銭湯に行ってみたくなったりと昭和の良さを感じさせてくれる作品でもありました。

良ければ、是非見てほしいです!

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