クスノキの番人 東野圭吾

本&映画感想

  以前から読みたいと思っていた作品だったけど、図書館で予約しようとすると一体いつ自分の番が回ってくるんだろうというぐらいの待ち人数。気長に待とうと半分あきらめていたのですが、この間たまたま図書館で発見!

テンション上がってこれは絶対に返却日までに読み切るぞと意気込んで読み始め四日で読了。遅読の私にしては大分早いペースで読了したと思います。それこそ、最初は意気込んで読んでいたのもありますが、後半は続きが気になってやるべきことを後回しにしてひたすら読んでいました。

最初は色々なエピソードが散らかっている感じがして、どこがどう関係しているのかさっぱりわからず、ページをめくる手がスローになったりもしたけど、後半は散らかっていたエピソードが綺麗につながっていきました。前半は謎につつまれていたクスノキについてもその力が明らかになるとそれに呼応するかのように色々なことが明らかになっていき、そこがそう繋がるんだあ!と感心しまくりでした。

認知症や、世代交代とか超現実主義な若者の考え方とかスピリチュアルとか色々なテーマが盛り込まれていますが最後にはしっかり全ての問題が、収まるところに収まったという感じで何度か涙が出てしまいました。

言葉や文章だけでは上手く伝えきれないそんな気持ちを相手に伝えることは、本当に難しいことでだからこそこの物語の人気があるのだろうけど、伝えたい、そしてその気持ちを分かりたい理解したいという気持ちがとても大事なことなんだなと感じた作品でした。

また、読了後に登場人物の心理描写の部分を読み返すとなんだか違和感を感じていた場面に妙に納得がいったりなるほど、この表現はそういうことだったんだとハッとしたりと再度読み返しても驚かされる場面がいくつかあって改めてよく考えられている素晴らしい作品だなと感じました。出会えて良かったです。

 また、身近にいる人ほど色々な事情があってなかなか自分の素直な気持ちを伝えにくいものですが、素直に伝え合うことが出来れば何かが変わっていくかもしれないよと教えてくれているようにも感じました。

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